管理職が陥りがちなコミュニケーションの失敗|3つの注意点と改善策

部下とのコミュニケーションで陥りがちな管理職の3つの失敗とは?本記事では、話を最後まで聞かない、何度も責める、機嫌で対応が変わる――これらの具体例を挙げながら、改善策を詳しく解説します。

· コミュニケーションスキル,職場の人間関係,人材育成・社員教育,リーダーシップ・指導力,管理職育成

管理職に求められることは沢山あり、業務スキルやリーダーシップはもちろん、人材育成や評価スキル等、自分自身に留まらず、管轄する部署やプロジェクトを管理・統括・遂行することを求められます。その中でも、部下との「コミュニケーション」は大きな課題の一つではないでしょうか。

なんといっても、部下=人です。様々なタイプ、性格、考えがあります。もちろん上司側も十人十色。重要なのは、相手の「特性」を理解し、相手ごとに言葉の表現や対応のスタンスを考えて関わることです。自信の考えが「正」と捉えるのではなく、自分ならこう思うけど、相手はどうだろう…というワンクッションが必要です。

しかし、普段の何気ないコミュニケーションでは、自身の価値観や経験値を基準にしてしまうことも…

・発言や行動を勝手に先読みする一方的な解釈

・どうせわかっていないだろうと能力を見下すような決めつけた先入観

・こんなに忙しいのだからと浮き沈みも仕方ないかのような自分本位

こんなケース思い当たりませんか?

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話を最後まで聞かない

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人の話をよく聞くことは、人間関係を築き深めるうえで重要なことです。相手の話をしっかり聞くことで、その人のことを気にかけ、大事にしていることが伝わります。しかし、会話のキャッチボールが成り立たないコミュニケーションでは、部下の本音どころか、何を考えていて何を伝えようとしているのかの本質にたどり着きません。

忙しい管理職においては、一言二言を聞いただけで状況を勝手に認識し、最後まで相手の言い分を聞くことなく「要するにこういうことでしょ?はいはい」と話をまとめてしまったり、さらには「聞かなくてもわかる」と自分の能力を過信しているケースでは、予測だけで相手の考えを決めつけてしまうことも有りがちです。

相手にとっては、伝えたかったことを本当に理解してくれているのか不安に感じたり、自分の考えを浅はかに捉えられているように受け取り、「言おうとしていたのに…キチンと説明したかったのに…」と不完全燃焼なコミュニケーションが生まれてしまいます。部下に何かを問うときは、わかった気になり会話を進めるのではなく、まず聞くことを念頭に置きましょう。

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何度も言っていると責める

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部下にとって学びになるようにとアドバイスをしたり、気付きになるように敢えて問いを与えたりと、日々の会話の中でも言葉を選んで伝えようとしている方は多いはずです。しかし、会話の中で気付かぬうちにモチベーションを下げてしまっているケースも…。

伝え方のクセや、パターンは意外と自分自身では気づいていないこともあり、さらに、上司・部下間であれば、言葉のダメージは思っている以上に大きなものです。日常会話の中だからこそ、相手がどう感じたか、どう解釈したかをくみ取ることがないまま、常習的に繰り返してしまっていることも。

例えば、モチベーションをどん底に下げるワンフレーズの1つに、前にも言ったよね?何回も言ってるよね?という言い回しがあります。たとえ、過去に指導したことがインプットできていなかったとしても、その状態を認知した上で、どのような言葉をかければよいか、どのように伝えればよいかを選択することがマネジメントです。何度言ってもわからないと責めるより、わかるように落とすことが上司の役目ではないでしょうか。


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機嫌で対応が変わる

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上司・部下の関わりの中で、報告や相談、指示やアドバイスなどコミュニケーションは必須。しかし、イライラしていて話しかけにくいオーラが全開…更には、機嫌が良い時と悪い時で対応が変わるなんてことも…。

もちろん人間なのでテンションの変化はありますが、相手の機嫌を伺いながらでないとコミュニケーションが取りづらい関係では、仕事上で大きな支障をきたします。こんなことは社会人の基本だ!と思われる方もおられるかもしれませんが、ポイントは、本人は気づいていないパターンがあるということ。

自分ではそんなつもりはなくても、“相手がどう受け取るか”、“周りがどう感じるか” の視点が重要です。たとえ、気分の浮き沈みがあったとしても、前にはこう言っていたのに、今はこう言っているというような矛盾が発生してしまうと、信頼関係にも疑問が浮上します。チームで仕事をしていることを忘れず、メンタルコントロールを念頭においたコミュニケーションを心がけましょう。