【事例インタビュー】次代を担う人材が本気で自分のキャリア(人生)と向き合い、職場の枠を超えた深い相互理解でもたらした様々な好影響とは?
【事例インタビュー】次代を担う人材が本気で自分のキャリア(人生)と向き合い、職場の枠を超えた深い相互理解でもたらした様々な好影響とは?
株式会社アサヒディード様_研修導入事例

企業を取り巻く環境が急速に変化する中で、ミドルマネージャー層の意識改革や次世代管理職の育成は、多くの企業にとって重要な課題となっています。今回、株式会社アサヒディード様にて、「ミドルマネージャーの行動変革と次世代リーダーの育成」をテーマに、受講者のキャリア意識を高め、組織内での行動変容を促すことを目的とした研修を実施しました。研修には、当社のキャリア開発プログラム「じぶん戦略」を活用しています。インタビューでは、研修の背景やプロセス、そして受講者や組織に生じた変化について、株式会社アサヒディードの平塚様にお話を伺いました。人材育成や組織改革のヒントとして、ぜひご覧ください。
株式会社アサヒディード https://www.asahideed.co.jp/
本社:大阪 設立 :1967年 資本金 :5,000万円 従業員数 :389名(男性200名、女性189名)※2023年3月現在
事業内容 :パチンコホールのプロデュースおよびマネジメント 、飲食店の企画運営、コンビニエンスストア・コインランドリー運営等
01_研修実施に至った背景と当時の課題感
HxT:当社がHRカンファレンスで『輝くミドル・シニア層の育成法~50歳以上が5割を超える時代の自律型キャリア開発の在り方~』をテーマに講演した際にご参加いただいたことが、今回のご縁につながったかと思います。当時、このテーマに関心を持たれた理由や、どのような課題意識をお持ちだったのか、お聞かせいただけますでしょうか?
平塚様:当時の参加目的として、2つの課題感がありました。もともと"シニア層"に関するテーマを探しており、御社の講演にたどり着いた経緯があります。弊社はパチンコホールを運営しており、年齢層が多様なメンバーが働いていますが、特に45歳以上の社員が少ないという状況がありました。今後、そうした年齢層の社員にどのようなポジションで活躍してもらうかが人事としての課題だったため、長期的な視点で解決策を探る目的で参加しました。もう一つの課題は、ポジションの確保だけでなく、キャリアデザインの仕組みを社内に取り入れられないかという点です。シニア層のキャリアをどう支援し、社内に定着させるかを考える中で、様々な情報を探し、最終的に御社の取り組みに興味を持ったという流れです。

02_課題解決のために考えた打ち手
平塚様:45歳以上の方に「キャリアを考えましょう、見直しましょう」と言うと、国内ではまだ"肩を叩かれる"という印象になりがちですよね。でも、本来はそうではないはずです。キャリアとは会社の中だけではなく、広い視点で60歳以上になっても自分がどういう仕事観を持って歩んでいくかを考えるものだと思っています。ただ、いきなりその年齢層に向けて研修をすると、「会社からのメッセージなのでは」と思う社員が多いのではないかと社内でも指摘がありました。そこで、まずは現状活躍しているメンバーに研修を受けてもらい、その人たちがキャリアをどう考えているのかを知ることから始めた方が、前向きな入り口になるのではと考え、研修をお願いしました。
HxT:確かに、シニア層だけを対象にすると、「会社の意図」を深読みしてしまうこともありますよね。受ける側からすると少し身構えてしまう部分があるかもしれません。平塚さんはキャリアコンサルタント資格をお持ちで、ご自身も社員向けに面談をされるとお聞きしましたが、面談に来られる方が後ろ向きに来られることをおっしゃっていましたね。キャリアというものに対して、「会社の仕事もですが、それだけではない」ということへの理解も、まだそんなに進んでいないのも大きいですよね。
平塚様:そうなんです。面談の最後に「僕たちのような年代でも輝けるポジションを作ってね」と言われることが多いんです。でも、本当はそこがゴールではなく、自分自身でどうキャリアを考えていくかが大切なんですよね。やはり昭和の時代に20代を過ごした方々なので、当時は家庭より仕事が優先という価値観が強かった。そういう背景もあって、今の世代とは考え方に違いが出ているのかもしれません。

03_社内の巻き込み方
HxT:「若手の活躍層の巻き込み方」については、どのようにまとめていかれたのでしょうか?
平塚様:人事だけでは難しかったので、営業統括マネージャーにも協力をお願いし、「中堅社員強化研修」として打ち出しました。しかし、研修参加者の選抜方法を巡り、社内で大変ハレーションが起こりました。弊社では普段、全員が対象の研修が多く、選抜制の研修がなかったため、「自分は呼ばれなかった(必要とされていないのでは)」と受け取る社員もいました。中には「見学だけでもできないか」という申し出もあったのですが、部長クラスを含め(本音を語る場にするためにも)、見学は全てお断りしました。
HxT:逆に「行かなくてラッキー」ではなく、「なぜ自分は呼ばれなかったのか?」とモチベーションにつながるのは、すごくポジティブなことですよね。そうしたエネルギッシュで前向きな組織風土は、どこから生まれているとお考えですか?
平塚様:おそらく現会長の板倉の精神が根底にあります。パチンコ業界はかつて接客意識が低い時代もありましたが、会長はその改善に力を注ぎ、接客マニュアルを作成するなど、業界の意識改革に取り組んできました。また、弊社では34年間、新卒採用を継続し、「人を育てること」に強いこだわりを持っています。現場や本部に関係なく、「人を育てるとどうなるのか(育てることの意味)」を考える風土が根付いているのではないかと思います。

04_研修内容の効果と社内の様子の変化
HxT:研修実施後の効果や変化について、特に15名の参加者の様子はどうだったのでしょうか?
平塚様:本音を話し、価値観を知ることを目的に導入したのですが、受講者の間では今でも話題に上るほど印象に残っている研修になりました。研修の効果としては、キャリアデザインを重視し、仕事だけでなくプライベートも含めて考える機会を提供したことが大きかったですね。また、研修後には、3回のフォロー研修を実施し、参加者が目標の進捗を共有しました。
その中で、ある男性社員が『奥様のために料理をする』と目標を立て、実際にマーボー豆腐を作ったことが話題になり、そこから周囲のパパたちと交流が生まれ、最終的には皆でUSJに行くまでのコミュニティができたんです(笑)。さらに、研修を実施した当初からしばらく立ちますが、実はここ1カ月前ほどに、受講者の上司とディスカッションする機会があり、『あの時の研修、すごくいい研修だったと報告してくれた』という話が出ました。実際、その受講者は、当時はいち課長だったのですが、今では営業部のまとめ役まで上がってきています。このように、研修が単なるスキル習得ではなく、人と人との関係性を深めるきっかけとなり、社内のコミュニケーションが活性化したことも大きな変化です。
HxT:とても勢いが広がっていますね。これも研修の目的の一つだったのではないでしょうか?
平塚様:そうですね。話したことのないメンバー同士がつながり、考え方を共有できたことは、今でも大事な成果の一つだと思います。
HxT:行動変容を起こすのは簡単ではありませんが、受講者が実際に行動を起こし、さらに広がっているのは理想的な成果ですね。研修を通じて価値観やビジョンを共有することで、チームワークにも良い影響があったのでは?
平塚様:そうですね。研修には普段あまり話したことのないメンバーも多く参加していたので、お互いの考えを知る機会になりました。当時もそうでしたが、今でも『話せるメンバーがいる』という安心感が生まれたことは、一見小さな変化のようで、実はとても大事なことだったと思います。
実は、今では、この研修に参加したメンバーの約半分ほどが経営層として決断するメンバーに入っています。一昔前だとやはりそういう場、決断する場では忖度が働きましたし、メンバーの顔色を伺うというのが非常に多いと感じていました。実は、私もたまにその会議に参加をさせていただくことがあるんですが、様子を見ていると、「誰も喋らない」とか「何か意見を言わない」とか「質問されて、一人ずつ答えないといけないから発言する」というような感じではなくて、きちんと会話が成り立つと言ったらいいんでしょうか、ディスカッションが成り立つと言ったらいいんでしょうか。そのような雰囲気になっており、いいんじゃないかなと思いました。



今回のインタビューを通じて、研修が単なるスキル習得にとどまらず、価値観の共有や組織の活性化につながる大きな役割を果たしたことがわかりました。特に、キャリアデザインを軸に仕事だけでなくプライベートを含めて考える機会を提供したことで、受講者同士の関係性が深まり、チームワークの向上にもつながりました。さらに、研修後のフォローを重ねることで、学びが行動変容へとつながり、社内全体に広がっていったのも印象的でした。人材育成は一度の研修で終わるものではなく、その後のフォローや環境づくりが重要になります。今回の取り組みが、ミドルマネージャー層の成長や組織改革を考えるうえでのヒントになれば幸いです。
「じぶん戦略」は株式会社エイチ・ティーが提供するキャリア開発プログラムです