買い物からキャリアまで共通するのは「自分で選んだ」という納得感。主体性がモチベーションを生み、失敗さえ学びに変える力となります。
今回のテーマは「自分で選ぶ納得感とキャリアの関係」です。私は小さい頃から家電量販店に行くとテンションが上がる“家電オタク”ですが、購入時には必ず比較・検討を繰り返し、納得できる買い方を大事にしてきました。なぜなら「自分で選んだ」という実感こそが、満足感や前向きなエネルギーにつながるからです。この体験を振り返ると、キャリアや仕事においても同じ構造が見えてきます。今回は、納得感を生むプロセスがキャリア形成にどう活きるのかを、ざっくばらんにお話しします。
目次
- 好きと納得感がエネルギーを生む
- 自責と他責が分ける成長の道
- 「自分で選んだ実感」がキャリアの軸になる
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1. 好きと納得感がエネルギーを生む
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小さいころから家電量販店に行くとテンションが上がる「家電オタク」の私。
ただ、買い方には強いこだわりがあります。「絶対にお得に買ってやるぞ!」と気合を入れて、価格比較サイトや通販サイトをひたすらチェック。ポイント還元やキャンペーンを組み合わせ、さらに店員さんとコミュニケーションを取りながら、最安値を導き出そうとするのです。ここまでやるには時間も手間もかかります。正直「これだけの時間をかける価値があるのか?」と思うこともありますが、不思議と全然苦じゃない。むしろ前向きなエネルギーが湧いてくるのです。
では、なぜこれだけエネルギーをかけられるのか?根底にあるのは「好き」という気持ちと「納得感を得たい」という想い。特にこの3つが私の原動力になっています。
- ちゃんと比較した上で、自分で選んだという実感
- 結果として“得をした”という満足感
- 情報を活用できたという自己効力感
これらが積み重なることで、自分が「主役」になれている感覚が生まれ、自然とモチベーションにつながっていくのだと思います。
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2. 自責と他責が分ける成長の道
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例えば、自分でリサーチして「これが底値だ!」と信じて買った商品が、数日後にさらに値下げされていたとしたら…。
それは正直悔しいです。でも「自分のリサーチ不足だった」と受け止められる。矢印が自分に向くからこそ、次に活かそうと改善につながります。
一方で、店員さんの「今が一番お買い得ですよ」という言葉を信じて買った場合に同じことが起きると、「うそつき!信じて損した!」と他責にしてしまいがちです。この違いは小さいようで大きい。自責であれば行動のベクトルが自分に戻り、学びや改善が起こります。
他責になると、ただ不満が残るだけで成長は止まってしまう。これは家電の話に限らず、キャリアや仕事にも当てはまるなと思います。自分で選び、自分で責任を持つと、たとえ失敗しても意味づけが変わる。他人に任せて「言われたからやった」ことでは、同じ結果でも納得感がまるで違うのです。
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3. 「自分で選んだ実感」がキャリアの軸になる
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家電でもキャリアでも共通するのは、「自分で選んだ」と思える納得感がモチベーションやエネルギーを生み出すということです。逆に「誰かに言われたから」「やらされたから」といった受け身の選択では、不満や後悔が残りやすい。
自分で考え、自分で選び、自分で納得した人は、たとえ同じような結果になったとしても意味の持ち方が違います。失敗しても「自分で選んだ」と思えるからこそ、それは「学び」や「意味」に転換できる。
心理学でいう認知的不協和理論──人は自己選択を正当化しようとする
という説明もできます。
組織やチームであっても、「自分で考えて決めた」と思える環境があるかどうかで、人の行動や学びの質は大きく変わる。やらされ感ではなく「自分ごと」になったとき、人は一番力を発揮します。日々の判断の中で「これは他人任せではなく、自分の意志だった」と思える選択。その積み重ねこそが、自分らしさの輪郭を形づくり、キャリアの軸をつくっていくのだと思います。
エモリのつぶやき#11 は、ここまで。
小さな買い物からキャリアの大きな選択まで、「自分で選んだ」という納得感がエネルギーを生み、失敗さえ学びに変えていきます。日々の選択に、自分らしい軸を持つヒントになれば幸いです。

「エモリのつぶやき」は、働く毎日の中でふと立ち止まった瞬間に浮かぶ気づきや発見を、
肩ひじ張らずに言葉にして届けるコラムです。
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企画・編集:『SIMBAUNIVERSITY』編集部
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