【研修事例】キャリア研修の受講者と企画者が語る効果と本音|SIMBA UNIVERSITY(キャリア形成・キャリア支援)

自身のキャリアを描くことを通じて、部下へのキャリアサポート法もセットで学ぶリーダー層向け研修_FutureRays株式会社様

· キャリア形成・キャリア支援,リーダーシップ・指導力,管理職育成,人材育成・社員教育,事例
キャリア研修インタビュー|FutureRays株式会社

企業の持続的な成長において、部下のキャリア支援を担うリーダー層の育成は、ますます重要性を増しています。今回、FutureRays株式会社様にて、リーダー自身が自らのキャリアを見つめ直しながら、部下への関わり方も学ぶことを目的としたキャリア研修を実施しました。

研修には、当社のキャリア開発プログラム「じぶん戦略」を活用。リーダーとしての役割に加えて、“自分自身のこれから”にも向き合う構成となっています。

本記事では、研修を企画された三保様、そして実際に受講し、現場を統括される立場として研修に臨まれた築山様のお二人にお話を伺いました。研修導入の背景や、現場でのリアルな変化・手応えについてご紹介します。人材育成やキャリア支援のヒントとして、ぜひご覧ください。

FutureRays株式会社 https://www.bemac-fr.com/

本社:東京都、大阪府  創業:2006年10月24日  資本金 :1,000万円  従業員数 :251名(2025年4月現在)
事業内容 :ICTコンサルティングを中心に、システム開発、DX人材育成、インフラ構築などを展開

目次

01_研修導入前に感じていた課題とその背景

02_課題解決のために検討した打ち手と「じぶん戦略」を選定した決め手

03_研修を受けてみての感想・反応・変化(受講者側の目線)

04_研修導入後の受講者の変化(研修企画側の目線)

05_今後取り組んでいきたい事と現在の課題感


01_研修導入前に感じていた課題とその背景

HxT:最初にお伺いしたいのは、「じぶん戦略」研修を導入される前に感じていた課題感や、その背景についてです。どのような経緯で今回の研修実施に至ったのか、教えていただけますか?

三保様会社の中でキャリアの自律を促したいということは、常々私の方からメンバーに発信していました。ただ、「どうやって自律を促せばいいのか」や、それを支える上司やリーダーが「どう関わればいいのか」といった点については明確な方法がなく、特にリーダーになったばかりの人たちは手探りの状態でした。「こういう本を読んでみて」と伝えることも一つの打ち手ではあるのですが、書籍だけでは実感を伴って理解を深めるのは難しいと感じていました。そうした中で、リーダーに向けてキャリア自律について学べる機会をつくれないかという課題意識があり、ちょうどそのタイミングで「じぶん戦略」研修をご提案いただいたことが、今回の実施のきっかけとなりました。

FutureRays株式会社 三保様 インタビュー時の様子1

02_課題解決のために検討した打ち手と「じぶん戦略」を選定した決め手

三保様実際に、キャリアに悩んでいるメンバーが身近にいて、自分なりに本を読んでアドバイスを試みたこともありましたが、うまく噛み合わず、本人の気持ちに変化を生むまでには至らず、限界を感じていました。そこで、体系的なカリキュラムの中で、実践的なワークを交えながらアウトプットを通じてキャリアを考える機会が必要だと感じるようになりました。今回はリーダー層を対象にした研修ということもあり、“自分自身のキャリア”だけでなく、“会社との接点”も意識できる構成になっていたことが、導入の決め手でした。会社としても組織的に実施する理由づけがしやすく、納得感を持って進めることができたと思います。結果的に、私個人の問題意識と、会社としての人材育成の方向性、その両方にフィットする内容だったことが、「じぶん戦略」を選んだ大きな理由です。

FutureRays株式会社 三保様 インタビュー時の様子2

03_研修を受けてみての感想・反応・変化(受講者側の目線)

HxT続いては、実際に研修を受講された築山さまの視点でお話を伺えればと思います。研修を受けてみてのご感想や、ご自身の中での気づきをお聞かせいただけますか。

築山様これまで社内で受けてきた研修は実務寄りの内容が中心で、今回のように“マインド”や“自分の人生のプランニング”に向き合うものは初めてでした。キャリアの迷い方は本当に人それぞれで、上司としても「どうアドバイスすればよいのか分からない」と感じることがあります。最終的には本人が決めることですが、どう筋道を立ててその決断に至ってもらうか、そこにヒントがあるかもしれない、それが、ファーストインプレッションでした。研修では、自分のこれまでを振り返り、言語化していくプロセスがあるのですが、生い立ちをたどりながら、「このときはこうだったな」「どんな気持ちだったかな」と思い出す作業は、懐かしくもあり楽しい時間でした。そして何より驚いたのは、自分は「人に依存しないタイプ」だと思っていたのに、振り返ってみると、意思決定の背景には家族や友人など周囲の人の影響がしっかりあったということです。自分の人生が、自分で認識していたものと違っていたことは、新鮮であり、すごくびっくりしました。

HxT研修での気づきが、その後の業務で活かされた場面はありましたか?

築山様実際、何かに迷ったときや立ち止まったときに、ふと「じぶん戦略」の研修のことを思い出すんです。研修の中で「価値観」を8つ挙げて、優先順位をつけるのですが、あのプロセスを経たことで、今後の意思決定の場面でも自然とその価値観を意識するようになるんじゃないかと思います。また、グループワークで一緒だったメンバーには、自分の考えや背景が伝わったとも感じます。実際、自分で過去を振り返って書き出しているときは気づいていなかったのに、周りのフィードバックで気づかされることもありました。「築山さんって、結構人の影響受けてますよね」と、指摘されたのですが、そのひと言で自分の言動を見返してみたら、確かにそうだったなと、そこから強く意識するようになりました。思いがけない気づきが得られるので、フィードバックの時間があったことはすごく良かったですね。

FutureRays株式会社 築山様 インタビュー時の様子1

HxT「あの人、何か変わったな」と感じたり、部下やメンバーとの関わり方が変わったと見受けられる方は、いらっしゃいましたか?

築山様研修後、業務の中で劇的に何かが変わったという明確な実感は、正直まだありません。ただ、一緒に研修を受けていた方が、自分の中にある2つのテーマのどちらを選ぶか悩んでいましたが、最終的には「こっちの方向で進みたい」と、ある程度の方向性を定めたように見えました。自分自身の関わり方については、これまでのように“会社のストーリー”を主軸にするのではなく、「本人が本当は何をやりたいのか」という点に意識を向けるようになりました。会社の方向性や期待を伝えることも必要ですが、それを一方的に押しつけるのではなく、まずは本人の内面にあるもの、たとえば、これまでの経験や今の気持ち、これからの思いといった“感情”の部分からヒアリングするように意識を変えました。特に若手社員や、年齢に関わらず“迷子”になっていそうな方と話すときには、研修で得た視点を活かして、なるべく丁寧に関わるようにしています。

FutureRays株式会社 築山様 インタビュー時の様子2

04_研修導入後の受講者の変化(研修企画側の目線)

HxTここまで築山さまに受講者としてのご経験を伺ってまいりましたが、あらためて企画された側の三保さまから見て、受講された皆さんにどのような変化が見られましたか?何か良い兆しや手応えのようなものがあれば、ぜひお聞かせください。

三保様今回の研修に期待していたのは、受講したリーダークラスのメンバーが、その配下のメンバーとの面談などで、学んだことを活かし、関わり方を変えていってくれることでした。いわゆる“テクニック”として表面的に使うのではなく、内面からの変化として現れてほしいという意図がありました。とはいえ、その変化が目に見えてくるには、もう少し時間がかかるのではと感じています。そんな中で、受講メンバーの中からは、自身のキャリアについて改めて考え直そうとする動きも見られました。ある1名からは実際に相談を受け、こちらもキャリアに関するアドバイスをする場面がありました。これまでの彼であれば、質問の仕方や相談の持っていき方がもう少し違っていたように思います。以前も時々、食事をしながら話すことはありましたが、今回の相談では「問い」の立て方に変化を感じました。そのやりとりの中で、こちらからも具体的なアドバイスを伝えることができ、本人も納得感をもって「頑張ろう」と前向きな姿勢になっていたように思います。

FutureRays株式会社 三保様 インタビュー時の様子3

05_今後取り組んでいきたい事と現在の課題感

HxT最後になりますが、今後取り組んでいきたいことや、学んでみたいこと、身につけていきたいことがあれば、ぜひお聞かせください。

築山様今回の研修で一番苦労したのは、「会社」という枠組みをどう位置づけるかという点でした。「会社はこれからどうなっていきたいのか?」という視点になると、自分の中でもうまく整理できず、役職としては上の立場にいながらも、SWOTの枠組みに落とし込もうとしたときに、うまくクロスが描けませんでした。おそらく、他の社員も同じように感じているのではないかと思います。もちろん、会社としての方向性やビジョンはキックオフなどで語られていますし、表面的な情報はあります。ただ、今回の研修で個人が過去を振り返り、価値観を掘り下げて未来を描いたように、会社にも、より具体的で明確な“ビジョンのストーリー”が必要だと感じました。

三保様今後ぜひ取り組んでみたいと考えているのが、若手社員に対する“最初の動機づけ”や“意識づけ”の仕掛けです。今回の研修を通じて、一部のリーダー層にはキャリア支援の重要性を認識してもらえたと感じているので、今度は受け手である若手層、特にこれから入社するメンバーや、すでに入社している2~3年目の“キャリア迷子”層に目を向け、キャリアを見直す機会や、意識を高めるきっかけを提供したいと考えています。「自分のキャリアは自分で考えるもの」「そのほうがむしろメリットがある」と、若い世代が自然に実感できるような組織風土をつくっていきたいと思っています。仮にその結果として、キャリアの行き先が社外になることがあっても、それは一つの選択として尊重しつつ、できれば会社の中でキャリアを築き、納得して自分の能力を伸ばせる環境を整えていきたいと考えています。メンバーには本当に納得して自分の能力を伸ばしていくような、いけるような、そういうキャリアを、できればうちの会社の中で積んでいってもらいたいと思っているので、そのためにも、背中をそっと押すような取り組みを、これから少しずつ形にしていきたいと考えています。


FutureRays株式会社 三保様 築山様 インタビュー時の様子
じぶん戦略プログラム 5日間カリキュラム

今回の取り組みを通じて、研修が知識やスキルの習得にとどまらず、「気づき」や「対話」を生むきっかけとなり、組織内に前向きな変化を促していることがわかりました。
特に、自身のキャリアや価値観を見つめ直す機会が、上司部下の関係性やチームの在り方にも良い影響をもたらしている点が印象的です。また、単発の施策で終わらせず、研修後も継続的に関わることで、学びが定着し、行動変容へとつながっていることも成果の一つと言えるでしょう。
人材育成は“受けさせるもの”ではなく、“ともに育っていく文化”として組織に根づかせていくもの。今回の実践が、キャリア支援や組織づくりに携わる皆さまのヒントとなれば幸いです。

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企画・編集:『SIMBA UNIVERSITY』編集部

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キャリアを進むすべての人のためのWEBメディア」として、『SIMBA UNIVERSITY』の「実践ガイド記事」「導入事例」「価値観診断ツール」などのコンテンツの企画・編集を手がける。「自分の人生の舵を取る」ための実践知と対話の場を通じて、キャリアの主体性を育む支援を行います。

当社では、個人が描くキャリアの方向性と、組織のビジョンを重ね合わせるアプローチとして、「クロスキャリア・マネジメント」を提唱しています。また、社員一人ひとりが自分らしさを活かしながら、価値観や“ありたい姿”を言語化し、主体的にキャリアを描いていくためのキャリア開発プログラム、「じぶん戦略」もご提供しております。組織と個人が、ともに成長し合える関係づくりにご関心のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

「じぶん戦略」は株式会社エイチ・ティーが提供するキャリア開発プログラムです

じぶん戦略 クロスキャリアマネジメント キャリア自律 キャリア開発 組織のエンゲージメント